Travel Journals
15 HOURS ch1

15 HOURS (Miami, FL) 

Chapter 1

朝の4時20分、携帯の電子音とともに起きる。

 

よしよし、外は真っ暗である。

 

俺は満足そうにまずはケイを起こす。そしてヤン。アダムはなぜか毛布に絡まっていて、さなぎのように小さくなっていた。この「さなぎ」を孵化させるのに時間がかかってしまったが、なんとか5時すぎにはホテルを出発することができた。

 

タクシーを呼び、「サウス・ビーチ」と告げる。

 

俺たちは日の出をみるために海へと向かった。俺のこの日の予定は、「一日中海にいること」。

何をするわけでもない。何もしないで、ビーチに座り、一日中波の音を聞いていたいって思った。きっと一日もいれば、いろんな海の「表情」に出会えるだろう。

 

やっぱ好きな人に出会えば、もっと相手のことを知りたいと思うのが当然である。

それは人間相手だけにとどまらない。一目惚れするような景色に出会ったとき、俺は「会話してみたい」って思う。どうしたら「会話」できるかはよく分からないけど、とりあえず誠心誠意、傾聴しようかなぁって思う。俺の中の五感を「相手」に向け、一人、自分の世界に入って、その空間を経験するのは好きだなぁ。

 

あれ!?

 

 


                                                                                                                                                                                                     

なぜかサウス・ビーチの向こうに大きな「山」が見える。

その「山」は2秒おきぐらいに「ピカッ!!!」って光る。

よーく見ると「山」は巨大な雲であった。

 
真っ暗で静か。まるで宇宙みたいな海の背景には、邪悪な雰囲気すらする重たそうな巨大な雲。
そしてこの世の終わりを告げるかのように、一瞬の閃光が断続的に輝き続ける。

 

初めて見る景色に思わず見惚れる。

 

辺りは次第に明るくなってきた。

 

藍色に染まった空に向かってかもめ(?)の群れが飛んでいく。
しばらくすると、雲はオレンジに色を変える。
太陽そのものは見ることができないが、それがどこにあるかは想像できた。
この海の表情の変化は、長くもあり、短くも感じられた。





俺はただただその世界へと引き込まれていった…。




 

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